「偉人」の過去の不正義にどう向き合ったか(下)掲載にあたって
2024年12月13日5:09PM|カテゴリー:お知らせ|admin
2024年11月29日号40~45ページの〈「偉人」の過去の不正義にどう向き合
ったか(下)〉は、むのたけじ氏を冠にして出発した「地域・民衆ジャーナリズ
ム賞」について室田康子氏が検証する記事です。
むの氏の1979年の「発言」が差別感情をそのまま流布したことなどを理由
に、実行委員会は冠から氏の名前を外し、賞の再出発を表明しました。
差別発言の被害者の三井絹子さんは、むの氏が「問題を指摘されても向き合わ
ず、謝罪もせず、意見を変えなかった」ことを後で聞いたといいます。しかも、
実行委も「謝罪」だけをしてこの問題にきちんと向き合っていないとして、「謝
罪」を受け入れられないとされています。
本誌は今年6月28日号「きんようアンテナ」欄の記事で「地域・民衆ジャーナ
リズム賞」の授与の集いを、むの氏の差別発言について批判する姿勢を明らかに
することなく報じました。三井さんがあげていた声を封じ、問題の所在をうやむ
やにすることに加担しました。
また、むの氏の本誌連載コラムをまとめたブックレット『たいまつ 遺稿集』
を2016年に刊行し、差別発言について知ることなく、むの氏の活動を称揚し
ました。これらの出版は無知による権威の強化にあたり、被害者による抗議の抑
圧になりました。
三井さんと読者にお詫びし、今後メディアとして当事者の思いに向き合い、差
別への学習を重ねつつ、出版活動を行なっていきます。
2024年11月29日
『週刊金曜日』編集長・吉田亮子