戦後70年特集
よみがえる軍国主義
戦後の70年間、私たちは軍国主義に代表される戦前と、どこまで決別できただろう。今日、台頭する歴史修正主義や「日本会議」等の極右勢力、そして安倍内閣の「戦争法制」と対決するなかで、戦後の「過去の克服」の不十分さ、軍国主義をよみがえらせ、「戦争」を正当化しようとする策動の執拗さに気付かせられる。
- 「英霊」追悼式に児童を参加させる町
生きている「軍国美談」と「大和」の神話
かつての帝国海軍の軍港として知られた広島県呉市は今や、海上自衛隊の海外派遣の拠点として生まれ変わった。同時にそこでは、「第六潜水艇」や戦艦「大和」が美化され、「軍国美談」が生きている。この街で、「戦後」とは何だったのか。
- 消せない加害と侵略の歴史
一兵士・村瀬守保が撮った戦争の記録村瀬守保氏は中国大陸を転戦した2年半で約3000枚の写真を撮影、一部を家族に送付していた。日付や場所が特定されないことから歴史を改竄したい人々に「ニセ写真」などと言われることがあるが、写真には否定しがたい歴史が記録されている。村瀬氏自身による写真説明以外に、「慰安婦」は金富子氏、「南京」は笠原十九司氏の解説をつけて紹介する。
兵士の性を管理する軍慰安所の実態
南京陥落から10日、徹底した「敗残兵狩り」
- 世界遺産になった「松下村塾」とアジア侵略
吉田松陰は「偉人」なのか
幕末の思想家として、今でも「偉人」視されている吉田松陰。彼が教えていた「松下村塾」が、世界遺産に登録された。だが、日本が「近代化」し、対外侵略を開始するにあたり、松陰の果たした否定的役割を無視してはならない。
- たった一人で戦争に立ち向かった
「エスペラントの星」
日本全体が中国への侵略戦争に突き進んでいった時代、東北の一隅で、反戦と中国民衆との連帯を唱えたエスペランティストがいた。特高警察による逮捕と獄中での発病で、31歳の若さでこの世を去った斎藤秀一こそ、抵抗の良心として記憶されるべきだ。
- 旧日本軍将校にだまされて、3年間絶望の日々
シベリアで抑留された中学生の阿部少年
- 広島で被爆した移動演劇
「桜隊」を知っていますか?
- 洪成潭〈東アジアのYASUKUNISM展〉
記憶と抵抗の磁場〜靖国の迷妄
戦争と戦死を美化しようとする靖国神社。その「ヤスクニ」をテーマにした絵画作品を発表している韓国の画家・洪成潭(ホンソンダム)さんの作品展が8月2日まで東京都内で開かれている。注目の展示内容を紹介する。
- 独政府はナチスとの差を明確にしてきた
日本はドイツから何を学ぶべきか
ドイツの戦後が日本と大きく違うのは、一貫して、かつ曖昧にせず自国の過去の反省を表明し続けたことだ。たとえ日独を取り巻く戦後の環境が大きく違っていたとはいえ、このことを日本は忘れるべきではない。
9月の国連総会で「ABE」を見せつけたい宰相の軽薄
- 政界で蠢く?安倍おろし?
- フィリピンとの危うい「同盟」関係
- 10年ぶりの朝鮮総聯大祝祭に1万7000人
- マチガイに学ぶ哲学者、鶴見俊輔さん