ネット依存社会
無限の可能性があるはずのインターネット。しかし、SNSなどネットに過度に依存しがちないまの社会は、むしろ私たちの「知的退行」を招き、そしてそれは、決して良い未来をもたらさないのではないか。失いつつあるものも大きいのではないか――。知力低下の具体例、若い世代で深刻な「ネット依存」の現実、レイシズムが増殖するヘイト空間と化したSNSに対する方策などなどの視点から、「ネット依存社会」という危機的状況を考える。
- 骨抜きにされるジャーナリズム
対談 斎藤貴男×武田砂鉄 - SNSで増殖するレイシストは「観察」して
「可視化」せよネット空間のレイシズム。互いに共鳴、増幅していく様子は辟易するほど。そんな相手に、ツイッターで絡まれても「辛抱強く」対応しているのが、想田和弘さんだ。聞いてみた。「なぜそこまで?」
- 鈴木邦男さんが坂本龍一さんに聞いてみた
「ネットの荒廃は社会の写し鏡だ」「ネットが社会をおかしくしてますよ。ぜひ坂本さんの意見を聞きたいですねー」。東京で鈴木邦男さんがつぶやいた。『愛国者の憂鬱』(金曜日刊)をともに上梓した坂本龍一さんに連絡を取ろうとするも、ネットもケータイも使わない邦男さん。本誌編集者が呼び出され、手紙(メール)を代送することに――。
- 墨岡孝さん(精神科医)と考える
どうする? 子どもの「ネット依存」スマートフォン(スマホ)やパソコンで、ゲームなどから手が離せなくなる「ネット依存」。重い鬱や不眠など、病状は深刻だ。10年以上前から治療に取り組んでいる墨岡孝氏に、現状と対策を聞いた。
- 「キモイ」「ウザイ」「ヤバイ」
ラインで世界が3語に集約されていく――言葉の貧困と、感情の貧困
『LINEで子どもがバカになる 「日本語」大崩壊』著者・矢野耕平インタビューLINEの隆盛が子どもたちの言語能力を低下させ、ものを考える力はもとより、感情の劣化も招いているのではないか――。受験塾で小学生に国語を教える日々から感じるその変化を著書に表した矢野耕平さんに、話を聞いた。
- 神奈川・三崎の児童合唱団が世を憂う快作「インターネットブルース」
藤沢宏光さん(プロデューサー)に聞く冬とはいっても、神奈川県三浦半島の最南端にある港町、三崎は、陽射しも穏やかで都心とは比べものにならないほど暖かい。
名物のマグロで全国に知られるこの港町で、近隣の子どもたちによる「かもめ児童合唱団」が活動している。ただの合唱団ではない。ライブ会場に集まった大人の大半を泣かせたという逸話を持ち、ジェーン・バーキンから北原白秋まで、相当に幅広いレパートリーを持つのが彼ら彼女らだ。
代表曲は「インターネットブルース」。歌詞には「嘘も誠もインターネット」など、ネットに依存しきったいまの社会への皮肉・悲哀の言葉が満載だ。なぜ「かもめちゃん」たちに、現代のブルースを歌わせるのか。プロデューサーの藤沢宏光さん(三崎在住)に話を聞きにいった。 - SMAPはネット発の「暴動」に「殺された」
解散騒動が浮き彫りにしたものSMAPの解散騒動。SNS上ではファンの過剰とも思える言葉が飛び交った。ネット発の「暴動」。それは「ファンという存在」そのものを変質させ、逆にSMAPを「死」に追い詰めたのではないか。
- スクープ! 沖縄・オスプレイ墜落(上)
漂着したフライトマニュアルから浮かび上がる秘密 - 私が知っている「ドナルド・トランプという男」(下)
- 満腹の情景 第60回
一口の「お接待」に心を満たして - 「学問の府」広島大学で現在進行中の"大人のいじめ" 後編
助教ががん死した原因に強いられた被曝が浮上 - 座談会『海は燃えている』ジャンフランコ・ロージ監督 × 織田朝日 × 村上知恵
難民問題、"私たちの豊かさ"の裏にある非人間的現実