原爆から75年

「ノーモア・ヒロシマ」のこれから

広島に原爆が投下され、多くの人の生命が奪われてから75年。米国のトランプ大統領は7月16日、人類初の核実験を「素晴らしい偉業」と称賛し、広島・長崎への原爆投下を「戦争の終結に寄与した」と正当化する発言を行なった。「原爆投下が日本の侵略を止め、第2次世界大戦の終結に導いた」という考えは、トランプ大統領のみならず、今も一定程度存在する。核兵器がいかに非人間的なものか、世界を破壊させるものかを世界中に理解してもらうまで「ノーモア・ヒロシマ」の訴えは続けなければならない。しかし「ノーモア・ヒロシマ」の目標とは「核兵器廃絶」のみで良いのか。核兵器廃絶にとどまらず、広島が平和のためにできることは何か、考えたい。

  • 広島を「狭い平和」から解き放つ
    核兵器廃絶だけが「ノーモア・ヒロシマ」ではない
    東琢磨

    「平和都市」を標榜する広島。しかしそこで訴えられる「平和」は核兵器廃絶に特化されすぎていないか。広島に生まれ、現在も住み暮らす筆者は、この街にはもっと多義的で豊かな「平和」を提唱する潜在能力があるはずだと述べる。

  • 被爆者・沼田鈴子さんの実践に学ぶ
    アジアの人々と「ノーモア・ヒロシマ」は
    共有可能か

    植松青児

    アジアの国々では今も「原爆のおかげで日本の侵略や支配から解放された」と認識している人は多い。その状況に向き合い、日本の戦争加害を謝罪し、被害国の人と手を握りあってきた沼田鈴子さんから私たちが学べることは何か。

  • 追及!政権腐敗 "命よりカネ" 業界優先の「Go Toキャンペーン」
    巨額の税金で「コロナ感染拡大策」!? 片岡伸行
  • 新龍中国(23)
    台湾の今どき兵役事情 本田善彦
  • 洋上風力発電所が日本でも増えている!
    秋田県沿岸部で睡眠障害約1000人の予測 加藤やすこ
  • 徘徊団「24時間営業」の東京をさまよう 第6回
    谷中〈染井・豊島岡〉 粉川哲夫 イラストレーション/沖野雅明
  • メディアウオッチ
    「コロナ対策に警察」菅長官発言めぐる報道 臺 宏士
  • 「7月豪雨」報道で見えたメディアの役割 岩本太郎
  • 「『地の塩』の記録」を読む(下)
    時代、免田さんという人 高峰 武、甲斐壮一
  • 【インタビュー】映画『日本人の忘れもの』小原浩靖監督
    未解決の戦後問題を日本政府に突きつける 伊田浩之
  • 『アメリカ白人が少数派になる日』著者 矢部武さん
    差別を煽るトランプ 多文化主義の実現を 片岡伸行
  • 鈴木邦男 ハンセイの記(14)
    和歌山カレー事件の林眞須美さん
  • 自由と創造のためのレッスン(96)
    「イメージ」を解体する「事実」 廣瀬 純
  • 続き読み物「この男イヤだ」(31)
    トモキ 石坂 啓

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