問題だらけの
内閣府施設
産業遺産情報センター

「国の発展を願った討幕の志士たちの熱い思いが原動力」となり「今日の世界に冠たるものづくり立国の屋台骨を作った」と安倍晋三首相がたたえる「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」。2015年、ユネスコの世界文化遺産に登録された。だがここには、強制連行・強制労働や徴用政策という日本の負の歴史もつきまとう。登録に際し、その負の歴史をめぐる理解を促すための措置として日本政府が国際社会に約束した施設、産業遺産情報センターがこの春オープンし、6月から見学の受け入れを開始した。だが、さまざまな方面から疑問の声が上がっている。

  • 発注側と受注側の「密」な利益相反状態
    徃住嘉文
  • 「犠牲者を記憶にとどめる」からは
    ほど遠い展示内容

    植松青児

    総務省第2庁舎の一角を改装して開設された「産業遺産情報センター」。現状の展示のままでは、日本政府が表明した「犠牲者を記憶にとどめる」ための施設とは言えない。

  • 記事を知った内閣府は「現在調査中」という立場
    加藤「センター長」が月刊誌で市民を個人攻撃
    渡部睦美

    「産業遺産情報センター」(以下、センター)については、個人情報取り扱いの問題も浮上している。加藤康子センター長が『月刊Hanada』2020年9月号で、市民の来館情報を暴露するという個人攻撃などを展開しているからだ。

敗戦75年

  • 半地下の一室から待ち望む「正義の実現」 中村一成
    「三菱名古屋・朝鮮女子勤労挺身隊訴訟」の原告の一人を、筆者は韓国・光州市に訪ねた。裁判での尊厳回復の闘いが続く中で、「逝った人の分も謝罪と補償を受ける。だから私は生きる」と、住まう半地下の一室から訴えた。
  • 占領地で最高の権力者になった日本軍がしたこと
    中国人「性奴隷」女性たちの被害実態 班忠義
    班忠義さんは、中国の元「慰安婦」の女性たちを支援していることで知られている。中国人女性への性加害には、慰安所内の女性たちとは異なる状況があるという。どういう点が違うのか、25年におよぶ調査から見えてきたことを伝えてもらう。
  • 死闘の地ガダルカナル島と前進基地ラバウルを訪ねて
    「英霊主義」に包まれた南洋戦跡 伊高浩昭
  • 歓喜へのフーガ(6) 今回のお相手 藤原真理さん
    音楽というものは自分の文化を背景にして出てくるものなのです 聞き手/崔 善 愛
  • ブリヂストンの工場が「コミュニケーション不全」と障害者を解雇 神原里佳
  • メディアウオッチ
    少年法見直し法案で実名報道へ転換加速か 臺 宏士
  • 終戦特番にみる放送の"公共性" 砂川浩慶
  • 日本の民間信仰
    祀りをたずねて 第4回 地蔵信仰 写真・文/山田しん
  • 自由と創造のためのレッスン(97)
    「経営者マインド」のパンデミック 廣瀬 純

週刊金曜日ちゃんねる

購入

  • amazon
  • Fujisan
  • 楽天ブックス
  • セブンネットショッピング
  • 定期購読

ページトップに戻る