生殖補助医療
ちょっと待った!
菅義偉首相が不妊治療への医療保険適用を政策に掲げ、卵子や精子の提供を受けて生まれた子の親子関係を定める民法の特例法(生殖補助医療法)が昨年末に成立。超党派の「生殖補助医療の在り方を考える議員連盟」も発足するなど、日本は高度生殖補助医療を推進する方向へ向かっている。不妊治療により救われる人がいることは事実で、それへの公的援助も否定しないが、卵子や母胎提供者への身体搾取や優生思想による命の選別につながること、また生まれた子の出自を知る権利が確立されていないなど、大きな問題があることも事実だ。生殖補助医療を受けた側の健康を害するリスクもある。法整備が不十分なまま生殖補助医療を推進することで起きる負の側面も知っておきたい。
- NPO法人 Fine 松本亜紀子理事長に聞く
不妊治療の患者を悩ます
「体」「心」「お金」「時間」の四重苦菅内閣が、重要政策の一つに不妊治療の公的医療保険の適用を掲げ、厚生労働省も実現に向けて本格的な検討に入った。当面は助成制度の見直しを図りつつ、早ければ2022年からの保険適用の実現を目指しているが、制度内容が不透明で課題が山積していることも確か。不妊で悩む人をサポートするNPO法人Fineの松本亜紀子理事長に聞いた。
- 「身体搾取」につながるベビー・ビジネス
生殖補助医療の発展がはらむ危険生殖補助医療によって出産した場合の親子関係を定める民法の特例法(生殖補助医療法)が昨年末に成立した。法律で精子や卵子の提供を認めたことになる。卵子提供は健康を害するリスクを負うし経済的に弱い立場の者が利用されやすく、搾取の構造をはらむ。また、子どもを望む人たちにも生殖補助医療の危険はある。健康な子を産むための遺伝学的検査は優生思想につながる可能性もあるなど課題は多い。
- 「出自を知る権利」の法制化を
昨年末に可決された生殖補助医療法には、卵子や精子の提供を受けて生まれた子が自らの出自を知る権利については盛り込まれず、課題を残した。子を望む側の思いが重視されて政策が進んでいるが、卵子や精子を提供する側にも配慮し、何より生まれてくる子どもの権利を優先する法律・制度こそ必要ではないか。
- 菅政権「緊急事態宣言」「コロナ対策と経済」"共倒れ"の危機
飲食店"生殺し"の愚策 - 〈政治時評〉拡大版 新型コロナ禍で追い詰められる在留外国人
国の都合で受け入れ、感染拡大で切り捨てる - 混迷きわめる米国
- 224年にわたる平和的な政権交代を妨害
2度目の弾劾訴追を招いたトランプ大統領の暴走 - 民主党左派の「閣僚拒否リスト」中の人物が要職に
危惧されるタカ派寄りのバイデン新政権 - 『南日本新聞』の押し紙訴訟、画期的和解
新聞社が「販売店の提案部数を尊重」 - 不謹慎な旅 (32) 『番町皿屋敷』
怪談は弱者の叫び - メディアウオッチ
安倍氏「桜」弁明を各紙とも厳しく批判
「デジタル・デトックス」の実践例 - 日本の民間信仰
祀りをたずねて (9) 道祖神信仰 - 新龍中国(28)
トランプ再選を渇望した蔡英文政権 - 『金曜日』で逢いましょう
早瀬憲太郎さん - 鈴木邦男 ハンセイの記(25)
大杉榮が結んだ縁