マイナンバーで医療から教育まで

幸せなデジタル
監視社会

コロナ禍でのオンライン利用の高まりなどを追い風に菅義偉首相肝いりの「デジタル改革関連法案」が国会で審議されている。国際競争力の強化や市民の利便性向上などのためにデジタル社会は「極めて重要」と謳う。だが、法案に盛り込まれた個人情報をめぐる規制緩和は、政府や民間事業者の利便性を高めるものであっても 市民の「幸福な生活の実現に寄与する」ものとは到底いえない。また、自治体ごとの規制を取り払い、国が一元管理することで後戻りのできない監視社会に突き進むことになりはしまいか。――政府と企業が進めるデジタル社会に警鐘を鳴らす。

  • 弁護士三宅 弘さんに聞く
    デジタル改革関連法案

    独立した強い権限を持つ監督・監視機関の設置を

    デジタル改革関連法案の衆院本会議での可決を受けて、「デジタル監視法案に反対する法律家ネットワーク」は4月6日、抗議と参院での慎重審議・抜本修正を求める緊急声明を発表した。ネットワークを代表し、記者会見で声明内容を説明した三宅弘弁護士に法案の問題点を聞く。

  • 自治体情報政策研究所代表黒田 充さんに聞く
    中央の一元管理で地方自治は形骸化

    個人の格付けサービスがまかり通る社会の入り口

    個人番号(マイナンバー)問題をはじめとし、個人情報がプロファイリングされることに警鐘を鳴らしてきた自治体情報政策研究所の黒田充代表によると、デジタル改革関連法案が目指すのは中国のような個人を格付けする社会だという。話を聞いた

  • 社会学者小笠原みどりさん語る
    監視社会研究者が警告する企業による個人情報収集とデジタル化の闇

    私たちは壁のない監獄に閉じ込められつつある!

    コロナ禍を契機にビジネスも会議も授業も、町内会の打ち合わせまでもオンライン化の嵐だ。前提として情報のデジタル化が強力に進められ、IT空間に浮遊した個人情報は政府と企業に掠め取られている。デジタル改革関連法案の向こうに見える「パンデミック監視社会」の到来に、警鐘を鳴らすカナダ在住の気鋭の社会学者の講演(アムネスティ・インターナショナル日本主催)を、編集部がまとめた。

  • デジタル改革関連法案の問題と懸念
    衆院内閣委員会が可決した
    28項目の付帯決議問題の多さを物語る

    デジタル庁創設や個人情報保護法改正を盛り込む「デジタル改革関連法案」が4月2日、衆院内閣委員会で自民、公明両党などの賛成多数で可決された。その際、与党と立憲民主党、国民民主党は28項目の付帯決議を可決させた。付帯決議には法的拘束力はない。だが、与党も同意した28項目もの付帯決議は、この法案の問題と懸念が数多いことを示すものであり、その内容を私たちは知っておくべきではなかろうか。

  • 「プライバシー」の意味が一方的に変えられていく
    選別管理思想を原動力とする
    日本の来たるべき監視社会

    斎藤貴男

    人権規定を伴わないデジタル改革関連法案はどのような社会をもたらすのか。監視社会の取材を20年以上続けてきた筆者が斬り込む。

  • なぜタンク保管ではないのか、この10年の経緯
    汚染水の海洋放出決定に懸念や抗議 薄井崇友
  • 再処分の取り消しも求めて「東京『君が代』裁判」5次訴訟
    そんなに東京都教育委員会は「空気読む」生徒をつくりたいのか 永尾俊彦
  • 前川喜平・元文部科学事務次官インタビュー
    「内心の自由は、国家権力による制約を一切拒否できる」
  • 新龍中国(31)中国流官製新選挙制度導入
    かき消されていく香港の"民"意 ふるまいよしこ
  • たとえば世界でいま
    米国/アジア系への憎悪犯罪急増 片瀬ケイ
    ビルマ/記者の北角裕樹さんが拘束 北方農夫人
  • メディアウオッチ
    処理水問題で論調が対照的な福島2紙 臺 宏士
    今こそ放送界に「独立行政委員会」を 砂川浩慶
  • 【提携連載企画】製薬マネーと医師04
    第一三共の認知症薬を「ごまかし」評価する香川大教授 Tansa
  • ヴィパッサナー瞑想体験記 その後 想田和弘

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