「9・26」無罪判決を受けて、これからどうなる?

シリーズ
「袴田さん無罪判決」
「はたして検察は
控訴するのか」
「『再審法』は
改正されるのか」

事件発生から58年にして、袴田巖さんにようやく無罪判決が。だが問題はこれで終わったわけではない。本号発売前日(10月10日)の控訴期限までに検察が控訴する可能性が残されているからだ。また仮に控訴せず無罪判決が確定したとしても、判決はもちろん、やり直しの裁判が行なわれるまでにこれだけ長い時間がかかったことの反省を、国会で動き始めた「再審法」の改正議論へとどうつなげるか。本号では以上2点について報告と考察を行なうこととした。

  • 超党派議連が今春発足、法務大臣に要望書
    再審法の改正求めるもなお分厚い「法務省」の壁
    佐藤和雄

    「9・26」無罪判決を受けた形で弾みがつきそうなのが、国会における再審法(刑事訴訟法の再審制度の規定)の改正をめぐる議論だ。これまで多くの国会議員がその問題を認識しつつも行動を起こさなかった。が、袴田さんの再審開始、日弁連による強い働きかけにより今春ついに超党派議連が発足。すでに会合も重ねられているが、改正への道のりは容易ではなさそうだ。

  • 「再審開始・釈放」決定をした元裁判長や関係者らに取材
    「判決は出た。では、ここから何が始まるのか?」
    粟野仁雄

    待望の無罪判決から3日後、袴田巖さんは集会の場に姿を見せて喜びを語った。だが控訴期限(10月10日)までは依然として予断を許さない状況が続く。以後も解決しなければならない課題は山積状態だ。10年前「裁判長」として再審と釈放を認める決定をした弁護士の村山浩昭さんや関係者の各氏に「いま私たちがなすべきこと」などを聞きながらまとめたレポート続報。

  • 映画『拳と祈り』笠井千晶監督に聞く
    カメラが捉えた不屈の祈り

    袴田巖さんを22年間追い続けたドキュメンタリー映画『拳と祈り -袴田巖の生涯-』が完成、10月19日に公開される。監督は静岡放送の報道記者だった笠井千晶さん(49歳)。この映画を作るために独立し、奥行きのある映像表現を目指した笠井さんに、作品へ込めた思いを聞いた。

  • 再被災で「元日に戻った」奥能登
    なぜ「洪水浸水想定区域」に仮設住宅を建てたのか 吉永磨美
    元日の大地震で被災した能登半島北部を豪雨が襲い、再び大きな被害をもたらした。自宅から避難したはずの仮設住宅でさらに被災し、なけなしの家財を失った人も。能登の被災が浮き彫りにしたこの国の課題とは。
  • 学習指導要領を絶対化し、教育実践を「問題化」
    文科省、自民党右派議員、『産経新聞』が
    今度は奈良教育大学付属小学校に介入
    永尾俊彦
  • 歓喜へのフーガ(34)
    今回のお相手 小林 緑さん 国立音楽大学名誉教授
    女性はソプラノ、アルト? 声の区分は
    近代化とともに、決めつけられてきた
    聞き手/崔善愛
  • エイズ終焉の世界目標に向けた取り組み強化を要請
    AIDS2024 ミュンヘンで開催
    世界から2万人が集結
    杉山正隆
  • 沖縄科学技術大学院大学で研究者らが抗議行動
    イスラエルとの提携 「学術ボイコット」を 前田高敬
  • 不謹慎な旅(76) 蔵王県境移動事件
    欺瞞の県境 写真・文/木村 聡
  • 【提携連載企画】誰が私を拡散したのか38
    Meta元エンジニアの告発
    子どもの性被害対策拒んだ最高幹部たち
    Tansa辻麻梨子
  • はまぐりのねごと(165) 中山千夏
  • なまくらのれん(252) 小室 等
  • 写日記(252) 松元ヒロ
  • 【『金曜日』で逢いましょう】古山彰子さん
    核禁条約に関する翻訳本を出版
    「核問題を自分事として考えて」
    竪場勝司
  • 持続可能な『週刊金曜日』を目指して
    文聖姫・新発行人から読者のみなさまへ
  • くらしの泉
    【食】
    拡大する食品アクセス問題
    国も積極的に弱者救済施策を
    垣田達哉
  • きんようぶんか
    現代美術家・村田峰紀のライブドローイング
    社会に身体性で向かい合う
    桑原和久
    【本】
    『今日に抗う 過ぎ去らぬ人々』 田沢竜次
    『ことばの番人』 長瀬 海
    『連合赤軍 遺族への手紙』 五所純子
    【映画】『花嫁はどこへ?』 さこうますみ
    【音楽】『アメイジング・トシコ・アキヨシ』 藤田 正
    【TVドキュメンタリー】 ワタナベ=アキラ

次号予告:2024年10月18日(第1493)号

【特集・総選挙】 ▼総選挙の「ほんとう」の争点 ●一党独裁の状態がなぜ80年近く続くのか 裏金と旧統一教会とジャーニーズの共通点|森達也 ●再分配こそ政治の最も重要な役割 保守の論理に詳しい古谷経衡さんに聞く|聞き手・まとめ/伊田浩之 ●「市民と野党の共闘の積み重ねを崩してはいけない」 菱山南帆子さんに聞く|聞き手・まとめ/竪場勝司 【シリーズ「袴田巖さん無罪判決」】 ●検察が控訴断念! 58年に及んだ闘い、ついに決着|粟野仁雄 【メディアウオッチ】 ●高市氏を推した保守票の争奪戦開始 掲げた政策を早々に取り下げた石破氏の「変節」を評価する右派メディア|早川タダノリ 【中東情勢】 ●ネタニヤフ首相の新中東構想 急拡大する戦線 【特集・猫のある風景】 ●映画『五香宮の猫』対談 想田和弘×雨宮処凛 ●多摩川2024 猫とおぃちゃんの暮らし“人害”をはじめ日常的に危険に晒されながら生きる|小西 修 【“日の丸ヤミ金”奨学金 第24回】 ●生活保護受給者からの搾取に裁判所が加担|三宅勝久 【新・買ってはいけない】 ●「部屋干し用洗剤」が部屋干し臭を防ぐのは LASの毒性ゆえ|渡辺雄二 【くらし 食】 ●米不足でもなぜ輸出を優先? 重イオンビーム放射線育種米の問題点|印鑰智哉 【日韓交流】 ●朝鮮通信使の復元船、260年ぶりにゆかりの日本4港に寄港 「誠信交隣」平和の想い乗せ日韓1000キロの航海|馬郡昭彦 【好評連載】 ●季節の薬膳 10月 秋麗茸三昧|新倉久美子 ●【提携連載企画Tansa】国葬文書「不存在」取り消しを求め、Tansaが国を提訴|編集長 渡辺周 ●あの人の独り言 絵空事|松崎菊也、石倉ちょっき

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