編集長コラム「金曜日から」 編集長のコラムを公開しています。

グローバリゼーションの正体は、支配者と被支配者の二重構造

 人間は例外なく「善」と「悪」を備え持つ。だから私利私欲に走ることもあるが、惻隠の情に突き動かされることもある。人間という存在は、分裂と矛盾そのものだ。歴史をみても、20世紀は第二次世界大戦の惨禍を経験し、理性とか啓蒙とかが、幾ばくかは重視された。だが21世紀はそれらが後景に追いやられ、かわって「欲」が支配する。

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自由にものが言えない社会で、しっかり意思表示した中学生に学ぶ

 早朝の住宅街で耳をすますと、行き交う車の音や、軽く踏まれた自転車のブレーキ音だけではなく、雀の会話などもかすかだが届いてくる。もう少し自分を解放できれば、百メートル先の公園に立つ木々の葉の擦れ合う音だって楽しめるかもしれない。目や耳の衰えは、加齢の問題というより私の「心」のサビに原因がある。

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今年は、インディーズ系メーデーが熱い

 深呼吸をしたくなる朝だった。暑くもなく寒くもなく、都心とはいえ中学校の校庭には満開の桜が呵々大笑の風情で枝を揺らしている。ここ「反貧困フェスタ2008」会場に、さらに心地よい風が吹き渡っているのを感じるまでには、それほどの時間を必要としなかった。紛うかたなく、それは新鮮な風であった。

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好きな国も嫌いな国もある。問題は、「他国批判」「愛国心」を国家が強制することだ

 納豆、味噌汁、漬け物、それに生卵があれば言うことはない。1年中でも構わない。たまにトーストを食べたくなる。だが、3日と続けられない。朝食後、緑茶をすすりながら、日本で生まれた人間なんだなと実感する。ただし、民族や国籍など私にはどうでもいい。あるのは、たまたま白飯と味噌汁の国に育ったという、その実感だけだ。

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