編集長コラム「金曜日から」 編集長のコラムを公開しています。

「米騒動」から90年、史実を辿りながら、来たる総選挙に備えたい

 「米騒動」という文字を、あちこちで見かけるようになった。輸入米問題のことではない。1918年に起きた、米価暴騰をきっかけにした庶民の反乱だ。富山県で、北海道に米を輸送する船を主婦らが阻止しようとする騒ぎが勃発。いったんは収まったが、商社に安価で売るように要求する動きは激化し、庶民の「勝利」が相次いだ。これをきっかけに、全国で、米の安売りを求めたり、米問屋を襲撃するなどの反乱が相次いだ。米の価格が急速に上がった背景には、第一次世界大戦後の好景気で、麦や稗から米食に切り替える国民が増えた一方、米の輸入量が減ったことがあるという。

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北朝鮮批判は当然だが、一方で「巨悪」の米国を許すのはおかしい

 噂は、愉快ではないが、これといって不快でもない。『サンデー毎日』編集長になったころから、急に噂されることが増えた。本誌編集長に就いたら、今度は、ネット上での噂が目立ち始めた。思わず笑ってしまう類のものが多い。いずれにしても反応する気にはならない。噂は一人歩きする妖怪で、私には関係がないからだ。

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国会混乱の中で、歴史に残る“傑物”は果たして生まれるのか

 源頼朝、豊臣秀吉、勝海舟……歴史の教科書に載る人物は、時代が生んだとも言えよう。社会が大きく変革するときは、必ず“傑物”が出現するものだ。戦後、とりわけここ3、40年、日本で大物政治家がついぞ生まれなかったのは、何だかんだ言っても、社会が比較的、なぎ状態だったからかもしれない。

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課長にもなれなかった福田康夫氏

 器ではなかった、としか言いようがない。福田康夫氏はどこからみても係長タイプだった。与えられた仕事はそこそこ、ソツなくこなす。数人の部下なら使えないこともない。だが、組織の10年後を見据えたグランドデザインを描き、実行する能力はない。トップの座に就いたときから、「途中降板」は想定内だった。

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