今週号は、問題のある悪法――ほんの一部だが――を特集した。
2011年2月4日9:00AM|カテゴリー:編集長後記|平井 康嗣
編集長後記
今週号は、問題のある悪法――ほんの一部だが――を特集した。ニュースで報じられていないが問題のある法律、条文をできるだけ取り上げた。法律はその一言一句で意味合いが変わるものであり現場では文言をめぐり熾烈な争いがある。だから専門家である執筆者たちには具体的な条文にこだわっていただいた。
一度成立してしまえば、官僚はその法を背景に下級機関への通達などで独自に法の隙間も埋め、われわれの目が届かない世界で粛々と運用し、日常生活を縛っていく。行政権力の源泉は法律なのである。
違憲性の疑いのある法律については違憲立法審査権があり、権力行使の不当性については国家賠償請求などの手段もある。だが庶民がいちいち訴訟を起こすわけにもいかない。悪法はやはり立法責任者である国会議員たちが仕分けをし、廃止法案を出すなりして処分していくべきだ。新たな法律をつくることばかりに功名心を抱くべきではないだろう。今後はさらにさまざまな悪法の可視化を続けていく予定である。 (平井康嗣)