震災から三カ月を受けた六月一一日――。
2011年6月17日9:00AM|カテゴリー:編集長後記|平井 康嗣
編集長後記
震災から三カ月を受けた六月一一日――。ともかく原発をやめろと訴えるデモや企画が開催された。世界中で一〇〇万人の参加を目指し、日本国内では一〇万人が参加したという。私は、二万人規模の新宿デモを取材し参加した。この前日、『週刊金曜日』とたんぽぽ舎共催の福島に住む母親を呼んだ講演会を開催しニコニコ動画が生中継したが三万人近く視聴された。いまだに原発への怒りはおさまっていない。
一方、これと裏返しに、原発推進の動きや反原発の揚げ足取りも強まっている。こちらは、少数の政財界人や識者たちで、執拗に自分らこそが“正しい情報”だと言い続けている。だが、このようなことに惑わされてはいけない。正しい情報を追い求め続けるあなたには、実は決断する機会は死ぬまで訪れない。科学は未完成だし、真理はどこにあるのかわからないし、わたしたちの情報は常に不十分なのである。自分の直感を信じて、決断するしかない。
さて、一〇〇万人デモの気合いに吹き飛ばされない誌面をつくらねば。 (平井康嗣)