昔、松本清張原作の『鬼畜』という映画を子どもの頃に観て、鬼継母(ほとんど死語か)
2012年2月10日9:00AM|カテゴリー:編集長後記|平井 康嗣
昔、松本清張原作の『鬼畜』という映画を子どもの頃に観て、鬼継母(ほとんど死語か)の岩下志麻に心底震え上がった。
私の母はむかーし、岩下志麻に似ていると言われたことがよい思い出らしく、岩下主演の『極道の妻たち』も贔屓にして観ていた。
だから『鬼畜』を一緒に観に行く羽目になったのかといま思いいたった。
実際、「鬼畜」だったかといえば、ホラー映画を観るために銀座の映画館に付き合わせたことぐらいが、私への “暴力” ?という、虐待とはほど遠い暢気な親である。
だが、今や「鬼畜」を超えるような事件が日常的に報道されており、腹立たしい。
実際、表を歩いている子どもはまだましで、家に閉じこめられっぱなしで放棄されている子どもはどれほどいるのだろう。
幼い子どもは、親や大人を無条件に信じるから文句を言うことすら知らない。
医者が患者を、弁護士が依頼人を騙さないという職業上の信任関係があるが、親子の日常的な関係はすべてそれ以上のはずだ。
「大人」は子どもを裏切ってはいけない。