五月五日、北海道電力の泊原発三号機が定期点検に入り、日本の原発はすべて営業停止した。
2012年5月11日9:00AM|カテゴリー:編集長後記|平井 康嗣
五月五日、北海道電力の泊原発三号機が定期点検に入り、日本の原発はすべて営業停止した。
この日、東京近郊はひさびさに晴天に恵まれた。空気がうまかった。
『週刊金曜日』は創刊以来、『月刊金曜日』時代から原発問題を扱ってきた。
一九九三年七月二三日付けの創刊号では藤田祐幸氏が「誰が嶋橋君を殺したのか? 原発で働くある青年の死」を寄稿し、浜岡原発における差別的な被曝労働について告発している。
とはいえこのような形で原発が停止するとは、私は信じ切れていなかったと思う。
今は原発が点検のために停止しているだけだ。
いずれ再稼働しかねない。
小鳩に始まる民主党政権時代は二酸化炭素削減と「原子力ルネッサンス」の下、「オールジャパン」で原発輸出に前のめりだった。
財政均衡と増税に夢中の野田内閣は様子見のようだがどう出るか。
一方、自民党の改憲案が発表されたが、「公益」の下で人権を制約できると明記する逆走ぶりである。原発も「公益」としかねない危うい設計ではないか。
(平井康嗣)