これほど同時に国境問題が勃発するのも珍しい
2012年8月24日9:00AM|カテゴリー:編集長後記|平井 康嗣
これほど同時に国境問題が勃発するのも珍しい。
国交トラブルが起きるほど喜ぶ愉快犯もいるがまったく不毛だ。
中国では国民はかなり激しいデモをしている。けれども中国政府は日中間に政治的なトラブルを起こしたくないから静観しているようだ。
韓国はどうか。昨年七月に外交通商省で日本を担当する東北アジア局長が更迭された。
日韓情報保護協定が閣議決定されたことが原因だ。
これに国民から政府への批判が噴出したのだ。
といってもこの協定が韓国国内で公開されなかったのに日本で報じられて国民が知るところとなってしまったことへの怒りだ。
外交や法の問題ではなく、国内問題だった。
今回の竹島問題では韓国国民の多勢は静観しており、李明博大統領が過激だ。
日韓関係など配慮もせず大統領選を意識して目立とうとしたのだろう。
本質は内向きなのである。
消費増税という国内(財務省的?個人的?)問題に内弁慶の首相が執着している間に、日本国内やアジアのバランスは崩れ始めている。不穏である。
(平井康嗣)