先週月曜日に山中伸弥京都大学教授のノーベル医学・生理学賞受賞のお祭り騒ぎが日本中を席巻したのもつかの間、週末にかけて肩書き不詳の森口尚史氏バッシングがわき起こった
2012年10月19日9:00AM|カテゴリー:編集長後記|平井 康嗣
先週月曜日に山中伸弥京都大学教授のノーベル医学・生理学賞受賞のお祭り騒ぎが日本中を席巻したのもつかの間、週末にかけて肩書き不詳の森口尚史氏バッシングがわき起こった。
氏の記者会見が米国で開かれテレビ放送されたが、森口氏を「『でっ』ってなんだ」とか「なにをにやにやしているんだ」などと本当に徹底的にとっちめている公開処刑ぶりがきわめて不快だった。
真の権力者には見せない屈折した”正義”だ。
あなたはなにを代表して暴力をふりかざしているんだ。
確かに森口氏の虚言癖や盗用疑惑は大問題だ。
しかし、それを拡大させたのは科学リテラシーが不十分だった『読売新聞』だ。
誤報を出した記者も死にたい気持ちだろうが生きて猛省するしかない。
テレビは論外だが、新聞の科学記事も解説ばかりだ。
科学部と社会部の縦割り組織の弊害もあるのだろうが、記者には批判的合理主義者のカール・ポパーなども読んでほしい。
なお『読売』はこれを機にこれまでの原発関連報道も批判的に検証すべきであろう。
(平井康嗣)