日韓関係の底が抜けることはまず考えられない。問題は対朝鮮だ。
2013年1月25日7:00AM|カテゴリー:編集長後記|平井 康嗣
日本政府は日米韓を安保条約で意識せざるをえないため、日韓関係の底が抜けることはまず考えられない。問題は対朝鮮だ。政権交代した朴槿恵大統領に注目したい。
朴槿恵を政治家として注目したのは、『横道世之介』のモデルとなった韓国人留学生の人命救助事故について来日時に言及した時だ。再び注目したのは韓国でのハンセン病に関して。在日コリアンの回復者、故・国本衛が自著の韓国語版出版記念会に出席するために“帰国”した際、同伴取材した。五〇〇人集まった会に朴も出席していたのだ。一方、国本と六八年ぶりに空港で再会した弟は日本語が通ぜず会には参加せずに帰った。
韓国では日本よりも差別が厳しい。だが社会復帰して実業家になる人は少なくないという。ある回復者も養鶏業者になったが、卵は差別的に敬遠された。それを軍隊に引き取らせ事業を軌道に乗せたのは朴だったと、ハンセン病克服の寄付では世界一という笹川陽平から先日聞いた。単純化して見ては人も国もわかり得ない。
(平井康嗣)