東京で五輪誘致を画策していると最初に公にしたのはおそらく私だ。
2013年1月18日7:00AM|カテゴリー:編集長後記|平井 康嗣
編集長後記
自慢めいた話をすると、東京で五輪誘致を画策していると最初に公にしたのはおそらく私だ。二〇〇五年三月に電通作成の文書を入手し、<明治神宮「神社本庁離脱」の陰で「電通」が作成した「外苑再開発計画」> という記事を書いた。明治神宮総代の石原都知事・ゼネコン・電通らが東京五輪と防災を名目に資産価値約一兆円と言われる東京・明治神宮外苑の再開発を目論んでいるという内容だ。石原氏得意の再開発利権である。しかし外苑は「天皇陛下のために」と民間有志から寄付された不可触の聖地。おいそれと売却できない。だから大義名分が必要なのだが、それに五輪は値するのか。原発事故で汚染され、人種差別的な知事のいる東京を海外が敬遠するのは当然だ。空想が仕事である小説家ではなくジャーナリストだった知事が、東京都の一連の不正に目をつぶってきたことは卑怯である。自分の立身出世のため、目の前の不正は見過ごして棚ボタを祈るというイノセ的な人間が今の東京、いや日本を支えているのだろうか。 (平井康嗣)