一昔前、「ああいえばジョウユウ」という言葉や「おっかけ」ファンまで生まれてしまった宗教団体の広報がいました
2013年5月31日7:00AM|カテゴリー:編集長後記|平井 康嗣
編集長後記
一昔前、いちいち記者に饒舌に言い返し、その様をテレビがとりあげ「ああいえばジョウユウ」という言葉や「おっかけ」ファンまで生まれてしまった宗教団体の広報がいましたが、昨今の橋下市長を見ていて思い出しました。ともかくメディアが根負けするまで付き合うことで橋下氏は達成感を得ているようですので、メディアは過剰にとりあげなければいいと本当に思います。
今回、ずるいと感じた手口は理屈や事実関係が怪しくなった途端に「真意」を持ち出してきたことです。編集された事実は「真意」が伝わっていないから誤報だと言い放ちました。五月二七日の外国特派員協会では「真意」とやらを説明し、さらに〈国家の意思として女性を拉致・人身売買したのか〉という問題提起をしました。
市長は自らの「真意」や国家とやらの「意思」を理解することを私たちに要求してもいますが、これは不毛な主観主義です。以前、石原慎太郎氏を取材した際、次々に論点が飛び時間切れになった渋い経験がありますが、よく似ています。 (平井康嗣)