陸上自衛隊がサリンなど毒ガスを作っていたことが明らかになった。
2013年5月17日7:00AM|カテゴリー:編集長後記|平井 康嗣
編集長後記
陸上自衛隊がサリンなど毒ガスを作っていたことが明らかになった。軍事ジャーナリストの間では、自衛隊の毒ガス製造は「常識」だそうだが、裏付けされたのは初めてだろう。防毒目的のためには製造をしなければならないと自衛隊関係者も語っているそうだが、ごもっともな論理構成である。それでは、なぜそれを隠し続けてきたのか。
今、TBSで「空飛ぶ広報室」という小説が原作のドラマが放映されているが、毎回うんざりする。恐ろしくなる。五月一二日放映回では地対空ミサイルPAC3の配備訓練を紹介し、主演の綾野剛に最後の砦だと垂れ流させていた。PAC3は三二基足らずで、まともな迎撃体制を構築しようとすれば防衛予算が青天井になる代物。「電波を飛ばす不動産屋」と自嘲したTBS社員はいたが、今や「電波を飛ばす自衛隊広報会社」である。
自衛隊に限らず組織とは知らせたいものは広報するが、知られたくないものは広報などしないのが常だ。両者には今回のサリン製造もぜひ広報してほしい。 (平井康嗣)