人類は宇宙植民地へ移住していった――という物語がSFに組み込まれるのは常套だった
2013年7月5日7:00AM|カテゴリー:編集長後記|平井 康嗣
編集長後記
将来、地球の人口が爆発的に増加すると考え、人類は「宇宙移住計画」を実施し宇宙植民地へ移住していった――という物語がガンダム始めSFに組み込まれるのは常套だったが、今の日本では別の意味でフィクションになった。宇宙移住よりも人口増加がフィクションになったからだ。
「人口推計」などによれば、今一億二八〇〇万人ほどの人口は、二〇六〇年には八六七四万人ほどになる。そのうち六五歳以上は三四六〇万人ほどを占める予定だ(米国は一・五倍に増加する試算)。
その一方、都市部では地方からも流入した「団塊の世代」らが後期高齢者になる二〇二五年から病床も老人ホームが急激に不足し、受け入れ先がないまま溢れ出すとされる。そのため厚労省は在宅医療などに必死に力を入れている。
それでも最近は定住外国人に差別的な発言が目立ってきている。日本から優秀な人材が流出するということは、優秀な外国人が日本に来たくないという意味でもあろう。その原因は経済的な面ばかりではないはずだ。 (平井康嗣)