鈴木邦男さんと坂本龍一さんの二回目の対談を掲載した。
2013年8月30日7:00AM|カテゴリー:編集長後記|平井 康嗣
編集長後記
今週号は鈴木邦男さんと坂本龍一さんの二回目の対談を掲載した。参院選投開票日、都内で五時間以上、意見交換し、いずれ本になる予定だ。
今回掲載された話で私が反芻した言葉は、〈「賊軍」の人たちがたくさんキリスト教に入ってますよね。自分たちは「神のもとでは平等」だということ〉という鈴木さんの発言だ。坂本さんはそれを「個」が確立していないという受け止め方をしており、偶然にも特集でしばき隊の野間易通さんも「個」に触れている。
ただ、私は「個」の前に「神」を考えたいと思った。対人的、社会的に不満足であるほど人は超人的な象徴や場を求め、依存するように見える。アイドルしかりスポーツ選手しかり。そもそもキャラクター好きの日本人は「神」を産み出すのが異常に好きだ。しかし、一時的な逃避行動は否定しえないが、それを利用する輩もいる。もっと深いレベルでの絶望や不遇は、生活を破壊するレベルでの依存を呼びこむ。一方で反原発や護憲も思考停止になっていないのか、内省したい。 (平井康嗣)