編集長コラム「金曜日から」 編集長のコラムを公開しています。

週末から東京五輪のニュース一色で本当にうんざりしている。

編集長後記

 私は都民だが、週末から東京五輪のニュース一色で本当にうんざりしている。放送される歓喜の姿にまったく共感できず、自分は“非国民”なのかなと、あらためて思った。もちろん多くの日本の運動選手にとって五輪の東京開催は単純に嬉しいだろう。私もかりに一〇代で世界を目指すスポーツ選手だったら、目標ができたと気合いが入ったかもしれない。きっと、これから何年かは東京五輪の種目競技人口も増えていくはずだ。

 ただ二〇〇五年以来、何度か書いていることなのだが、東京五輪はお台場や明治神宮外苑開発のため、石原慎太郎都知事(当時)、ゼネコン、電通、テレビ局などが大義名分として熱心に推進してきたのが始まりである。虚言と夢は紙一重だ。防災都市というのも再開発の大義名分の一つだったが、それも東日本大震災が起き、震災復興の名目はついた。まるで悪魔の予言である。これから国と東京都は堂々とバラマキをしていく。せめて東北五輪なら共感できたが、なにかがまた先送りされてしまった。 (平井康嗣)