NHKの籾井勝人会長が「従軍慰安婦」について「どこの国にもあった」と発言して大問題になっている。
2014年1月31日7:00AM|カテゴリー:編集長後記|平井 康嗣
編集長後記
NHKの籾井勝人会長が「従軍慰安婦」について「どこの国にもあった」と発言して大問題になっている。韓国人の「強制連行」の物的証拠はなかったという巧妙な言い回しをしている安倍首相の狡猾な意図すらも理解できない「知性」を晒してしまった。
一方、首相の靖国参拝について米国が失望を表明していると米国頼みの国内報道もあったが、「権威」という裏技にすがる姿勢にはウンザリする。映画賞でも日本アカデミー賞までつくって最高権威の賞としている国だ。「米国」ではなく染みついた「米国依存」に日本の困難さがある。
と言いながら気がひけるが、米英合作映画『それでも夜は明ける』を籾井氏や安倍氏はぜひとも観て“国際感覚”を磨いたほうがいい。これはかつて合法だった黒人奴隷の手記を元にした映画だ。これを観ても「奴隷の売買は当時合法だったし、今でも人身売買は世界中に見つかる」と強弁するのか。合法に存在することと、人としての筋は違う。形式や権威を悪用する人間が人心を腐らせる。 (平井康嗣)