安倍首相が支持されてしまう根深い理由は、1年ごとに首相が交代する政治に日本中が辟易していることではないか
2014年1月10日7:00AM|カテゴリー:編集長後記|平井 康嗣
編集長後記
安倍首相が支持されてしまう根深い理由は、1年ごとに首相が交代する政治に日本中が辟易していることではないか。神輿は軽いほどいいとしばしば大臣や首長に対して官僚が言ったりするものだが(たとえば千葉県の森田健作知事とか)、安倍氏の薄っぺらさも今の時代、保守的なエリート層や欲望の強い層などにはちょうどはまっているらしい。政策は丸呑み、税金は企業にばらまく。軍事をはじめ、つまるところ、短期的には経済的で現実的な政治をするという安心感が支持されるのだ。
それも理想を掲げ理屈っぽく、しかも倹約主義の民主党が決められない政治と批判され、毎年代表をクビにして自壊したからだ。確かにその不安定さはコリゴリだ。しかしその結果、同党に付随していたある種の理想主義までが永田町・霞ヶ関で後退したかに感じる。人権や平和という言葉も西洋的な価値観かもしれないが、それはやはり人や社会が追い求める理想の形だ。貧しても鈍することなく、理想や希望を追う人たちを支えていきたい。 (平井康嗣)