日本国憲法が他国とくらべて特異な点は前近代的な象徴天皇制と理想的な平和主義の憲法9条の二つぐらいだろう
2014年4月25日7:00AM|カテゴリー:編集長後記|平井 康嗣
編集長後記
日本国憲法が他国とくらべて特異な点は前近代的な象徴天皇制と理想的な平和主義の憲法9条の二つぐらいだろう。これら以外は、たいていの国の憲法や条約と大差ない条文である。日本国憲法は世界的にそうとうなレベルで一般的で合理的なのである。そして天皇条項については、革新も含めて国会ではタブーになっているのだから、憲法改正の主眼は憲法9条しかない。加えて緊急事態(有事)規定だ。憲法がこの緊急事態規定を想定しなかったのも平和主義の現れとも考えられる。
戦争は国家と国家の争いだが、対テロ戦にシフトする中、厳密な意味での戦争はほとんど起きない。今の政治屋は「戦争」より拡大された状況を求めている。それが緊急事態だ。緊急事態は人権を制限でき、“秩序を守るために”主権は文字通り最高権力者に集中する。「独裁」である。だからアベは緊急事態を望む。「原発は過酷な事故が起きる」というほど原発を推進する。「隣国と紛争が起きる」というほど外交関係を硬直化させる。タチが悪い。 (平井康嗣)