4月というのは、なんとなく、がんばるか、という気持ちに毎年させてくれる。
2014年4月4日7:00AM|カテゴリー:編集長後記|平井 康嗣
編集長後記
4月というのは、正月からたいしてろくなことがなくとも、関東の日本家屋特有の底冷えもふわっと和らぎ、なんとなく、がんばるか、という気持ちに毎年させてくれる。
特集にある、「働く」ということはなにかだが、映画公開で再評価のハンナ・アーレントは『人間の条件』で労働、仕事、活動などと分類し、なるほどと思ったりもしたが、こういう抽象的な概念の整理は人それぞれでもいい。ともかく、生きるための糧を得ることが労働であり、多くの人は必死に生活している。
私が茨城の建設関連工場で非正規以下の待遇(無社会保険、無給)で“労働”していた当時、従業員はヤンキー上がりの兼業農家が多数派だった。彼らは上司(現場監督とか)を殴って簡単に辞め、東京=ネクタイへの鬱屈も腹の底に抱えていたが、それなりの金と保険があれば仕事内容に執着しなかった。だが建設関連労働者は95年の700万人から450万人程度に減少、震災復興の遅れが指摘されている。必要とされる仕事のズレが気になる。 (平井康嗣)