安倍首相が解散の決意を会見で語り、「アベノミクス」という言葉を繰り返す姿は滑稽だった。
2014年11月28日7:00AM|カテゴリー:編集長後記|平井 康嗣
編集長後記
外遊から帰国した安倍首相が解散の決意を会見で語り、「アベノミクス」という言葉を繰り返す姿は毎度ながら滑稽だった。いつも「エビカニクスで踊っちゃおう!」という子どもが歌って踊る体操が頭に浮かぶ。けっしてレーガノミクスやサッチャリズムという企業優遇のサプライサイド政策を連想させてくれないところが、この人の薄さと軽さだ。
執念を感じる憲法、歴史教育、安保以外の政策で首相は踊らされているとしか思えない。むろん官僚や経済界も、言うことを聞いてくれる、政権が長く続く支持率を持つ政治家であれば誰でもいいからお互い好都合だ。
今回の選挙では在日外国人や「慰安婦」などを憎悪のはけ口にすることを認めてきた大人たちはクビにしたい。彼らは票を持たぬ、意見の違う者への敵視を拡大させてきてもいる。そもそも政治や政治家が扱う領域は暮らしの領域よりとても狭いのだ。メディアが扱う領域もまた同様だ。私たちも踊らされていないか。「検索」ではなく、自分の頭で考えたい。 (平井康嗣)