今週号の特集では税や経済政策の問題を扱っている
2015年3月27日7:00AM|カテゴリー:編集長後記|平井 康嗣
編集長後記
今週号の特集では税や経済政策の問題を扱っているが、富岡幸雄さんは法人税を法定正味税率(いわゆる法人税)と実効税負担率(実際にどれくらいの税負担があるかを独自に試算したもの)にわけて後者の数字を使って法人税のカラクリを暴いている。富岡さんの「財界直営型内閣」という指摘はまさにその通り。
先日、東京第二弁護士会主催の講演会で経済アナリストの藻谷浩介さんが、統計を実証的に分析した結果、円安誘導のアベノミクスは経済的に意味がないからやめろ、と話していた。GDPに占める個人消費の割合は約6割。個人消費が景気の要だ。個人消費のうち小売販売額は就業者数に比例する。人口は政策的に増やせない中、就業者数や賃上げを維持しないと経済は衰退する。
しかし円安で企業の支払いが増えている。円高に戻し賃金の原資をつくらなければならない。金持ちも節約しないでカネを使う。消費増税も消費を冷やす。税を上げて歳入歳出を健全化する財政の話と、経済を底から動かす話は別なのだ。 (平井康嗣)