編集長コラム「金曜日から」 編集長のコラムを公開しています。

「悪法国会」と言って思い出すのが1999年の通常国会だ

編集長後記

「悪法国会」と言って思い出すのが1999年の通常国会だ。盗聴(通信傍受)法、国旗・国歌法、周辺事態法、自衛隊法改定、住基ネット導入が次々に成立した。2015年の国会ではそれらを強化するような改悪法案が次々に出されており、既視感となにかの因縁を感じる。

 当時は佐野眞一が「真空総理」と呼んだ小渕恵三政権。淡々と悪法を呑み込んでいった。この自自政権は野中広務官房長官が自民党を支えるために自由党の小沢一郎に頭を下げ1月に誕生していた。コウモリ党と佐高信本誌編集委員が皮肉る公明党は秋の国会から自民と連立を組み自公の一蓮托生的蜜月は今に至る。

 悪法だらけの99年国会は紛糾し8月13日まで延長。私は始まったばかりの国会ネット中継に毎晩見入っていた。当時は野党議員らが怒号の中、長時間の演説をし、牛歩をし、赤絨毯に寝転び抵抗した。連日国会では集会が開かれ日々の政局が議員らから記者や国民に報告されていた。いまそんな熱気が次第に広がりつつある気がする。 (平井康嗣)