小選挙区制と民主主義
2015年7月17日7:00AM|カテゴリー:編集長後記|admin
このコラムを書いている時点では、今週中にも戦争関連法案が委員会で強行採決されると言われている。今国会は首相の幼稚な野次や、大臣連中の不勉強さをまざまざと見せつけられた幻滅国会である。
作家の大江健三郎氏はたびたび安倍首相の言葉の軽さを危険視してきたが、新国立競技場の費用問題をふくめて軽いどころか低レベルでデタラメだ。言葉が軽くなったのは憲法9条のせいだと物知り顔は言う。9条で武力の保持が禁止されているのに、実質的な軍隊にまで肥大した自衛隊という存在が日本最大の矛盾であるというわけだろう。
しかしながら天皇の戦争責任問題や、かつての不良債権時の大手銀行への無責任な公的資金注入など、人々がモラルハザードを起こす大人のデタラメはいくらでもある。
代議士が劣化した原因は二大政党制でもない日本で国会議員をがらがらぽんする小選挙区制にもあるが、小選挙区が続くならば自民党の独裁状態は悪化していくだろう。これ以上、民主主義を乗っ取らせてはならない。
※戦争関連法案は7月16日午後の衆議院本会議で採決され、与党などの賛成多数で可決、参議院に送付された。