「公共圏」的な言論空間
2015年12月25日7:00AM|カテゴリー:編集長後記|admin
今週号では自民党と歩調をあわせるようにメディア攻撃を強めていく動きを特集した。一方、師走になり、安保法や沖縄、憲法を考えるさまざまな民間団体が自律的に立ち上がってきた。
哲学者・ハーバーマスの概念である「公共圏」は、身分が違う人間が対等に話し合い共通認識を得ていく理性的な場だと言われる。喫茶店という場での自然発生的な議論が始まりとされるが、それが次第に組織や中間団体へと応用されてもいった。
そもそも「公」はこのように、国家と私生活との間に存在し境界線が引かれているものだ。暴力とカネにも左右されない。とすれば冒頭前者の動きは「公」が偽装されており、後者の動きは「公」「公衆」「公共圏」的な動きと言えよう。民主党政権も「新しい公共」を進めたが政治主導というボタンのかけ方で失敗した。
『週刊金曜日』も創刊のときからさして自覚せずに「公共圏」的な言論空間を目指してきたようだ。さらに気を引き締めて真当な議論を展開していきたい。