編集長コラム「金曜日から」 編集長のコラムを公開しています。

「なめんなよ」の精神

 関東では『東京新聞』が、「リベラル」の印象が強いが、隣県の『神奈川新聞』が5月3日の憲法記念日に〈萎縮しない〉、〈「なめんなよ」の精神を〉という全面広告を出して話題になった。広告は当日のデモに使えるプラカードのデザインだった。

 さて『週刊金曜日』、というか私もいつも〈なめるなよ、上等じゃねえか〉の精神ではあるけれど、よそから言葉を出されると、ああそうだなあと感心する。届く半歩先の言葉とはそういうものか。

 同紙は安倍政権の要である菅義偉官房長官の地元。横浜にはカジノ誘致の話もある。萎縮の根源に対する調査報道も期待したい。

 この広告についてネットで解説していた同紙の石橋学記者には『朝日』バッシングが吹き荒れた2014年10月に小誌に寄稿してもらっている。趣旨はやはり「萎縮」しない新聞現場からの声。見開きには『西日本新聞』の宮崎昌治記者も寄稿。気骨があって明るい二人である。『西日本』の記者は九州の大地震で消耗しているだろうが、彼らならきっと乗り越えるだろう。