辺野古と祭り
2017年6月23日7:00AM|カテゴリー:編集長後記|小林 和子
今国会で成立した共謀罪は、たとえ法務大臣が施行日を答えられなくとも今後我々を縛る。その悪法が先取りされているかのような事態が続く沖縄を、本号では特集した。
先日、沖縄・辺野古ハーレーに行ってきた。爬竜船(はりゅうせん)を漕ぎ、速さを競う伝統行事だ。悪天候で一度流れ、迎えた今月4日、風は強かったものの、「これがハーレー日和」とのこと。
地元の人たちと共にキャンプ・シュワブの米軍、沖縄防衛局も参加した。いかにも屈強そうな米軍チームが常勝するのかと思ったらそうでもない。子どもや女性たちが鍋を叩き地元優勝チームを迎える。この浜辺は計画案では作業用バックヤードになる。地元の人に聞くときっぱりと「ハーレーはなくなりません」。
反対運動のテント村に変わりはないが、基地との境のフェンスにNO BASEなどと書かれたバナーがない。地元の人に配慮し、63枚すべてを取り外して保管、翌日また掲げるのだという。祭りができるのもこの美しい浜辺あってこそ。海の神様は、その守り人をきっと見ている。