税金の使い道
2017年7月28日7:00AM|カテゴリー:編集長後記|小林 和子
「(安倍晋三首相の)濡れ衣を晴らしたい」
加戸守行前愛媛県知事が、閉会中審査でこんな答弁をした。失礼ながら、この方の文部官僚時代からの身の処し方をこの発言に重ねあわせてしまう。そこに私が見るのは、泥をかぶることで権力の中枢に抱き込まれる構図だ。
安倍首相の答弁は、濡れ衣を晴らすようなものではなかった。高級官僚は一丸となって権力者を守ろうとしているように見えた。彼らの人事権を誰が握っているのかを考えると、話はわかりやすい。要は、これで私たちが納得するかどうかの問題だろう。
加計学園へ今治市が投下した税金は96億円、「第2の加計」と言われる国際医療福祉大学に成田市が投下したのは130億円。負債を払うのは市民だ。誰かがチャラにしてくれはしない。といっても、両市民を私が責められる立場でもない。2020年の東京五輪の負債を都民としてどう考えるのか、と問われたら黙ってしまうからだ。大きなカネにはどうしても弱い。