安全の内実
2017年8月18日7:00AM|カテゴリー:編集長後記|小林 和子
米領グアム島沖を標的とした朝鮮民主主義人民共和国による“ミサイル発射計画”なるものに対し、日本政府は大掛かりな準備を整えた。本当にミサイルが落ちてくるの?
一方、米軍の普天間飛行場所属のオスプレイが今月5日、オーストラリア沖で墜落事故を起こした。政府はいったん国内の飛行自粛を要請したものの、事故原因が明らかになったわけでもないのに、11日には飛行を容認した。
ミサイルとオスプレイ、もともと比較にならない話で、どちらがどれだけ危険性があるのか、正直私にはわからない。前者は集団的自衛権の問題も絡んでいるようだ。だが、少なくともデモンストレーションでなく、住民の安全を第一に考えているのなら、一貫した態度を示すべきだろう。これだけ事故が頻発するオスプレイの飛行に対して、厳然とした態度が、なぜとれないのか。
安全の内実を軽んずる日本政府、その長たる安倍晋三首相の言動に、私たちは悲しいかな、慣れっこになってしまっている。