警戒したい
2017年9月8日7:00AM|カテゴリー:編集長後記|小林 和子
来年度の概算要求が8月末日に出された。総額101兆円規模となり、4年続けて100兆円超えだそうだ。
財務省の査定によってこれを3兆円ほど圧縮するというが……。あまりに大きな数字で実感が湧かない。だが防衛予算が過去最大規模の5・2兆円というのは素直に驚く。今週号、半田滋さんの記事によると、「目玉商品として北朝鮮のミサイル発射に備える新型の地対空迎撃ミサイル『イージス・アショア』の新規導入が盛り込まれた」という。〈この機に乗じて〉、という疑いは拭いがたい。
また、厚生労働省のほうも31・4兆円ということでこちらも過去最大規模。
高齢化が進んだことや高額薬剤の増加が影響したという。高額薬剤とは、昨年の財政制度等審議会財政制度分科会で、使用規制や投与条件が議論された抗悪性腫瘍剤などの薬剤のことだろう。費用対効果が吟味される動きが出ているのは当然のことだが、エビデンスがないところで年齢などにより使用抑制する動きは警戒したい。