熟議を経ぬまま
2018年3月30日7:00AM|カテゴリー:編集長後記|小林 和子
「改憲」に向けた今後の動きを考えるうえで、3月25日の自民党大会は注目されていた。改憲に向けた意欲が語られ、その方針は決定したが、「改憲4項目」については具体的に示されなかった。これでほっとしていいとは思えないが……。
これまで安倍首相が進めてきたことで正当性が問われることは多々あった。だが、その問題の本質が明らかになる前に、自公政権は議論を避けて政治課題を強行。そうしていくつもの曲がり角を恐ろしい早さで曲がってしまった。
その末にあるのが、熟議を経ぬままの憲法改正ではないか。森友問題は、これまでの安倍首相の政治手法を明らかにする上で重要だ。将来に禍根を残さぬために、しっかりと追及していきたい。
私ごとだが、義母が亡くなった。桜が咲くまでは命をつなげると言われていたので、開花を待つ気持ちと、恐れる気持ちが同居していた。今週号の高峰武さんの記事の中にも出てくる石牟礼道子さんの「花を奉るの辞」が、ひとしお心にしみた。