編集長コラム「金曜日から」 編集長のコラムを公開しています。

今がチャンス

 福田財務事務次官のセクハラ発言をめぐる政府の対応は、さすがに驚いた。

 次から次へトンデモ発言が湧いて出てくるではないか。最近では、女性記者が録音し、『週刊新潮』に持ち込んだことを、「ある意味犯罪」と下村博文元文部科学相が発言した(後に撤回)。正論を吐いたつもりだろうが、日常的に女性記者がどういう状況下で仕事をしているかを、想像したことがあるだろうか。

 レイプ事件をもみ消した現政権だから、何を言っても無駄、と悲観的になってしまうが、声を上げた人を孤立させてはいけないし、今が世論に訴えるチャンスだ。

 米軍による性暴力が絶えない沖縄の現状についても、この政権がどれほど痛みを共有しているか、19日に開かれた本誌主催のシンポジウム「沖縄は孤立していない」を聞きながら、情けなくなった。

“安倍応援団”の一人、百田尚樹氏に名指しで攻撃をうけた阿部岳『沖縄タイムス』記者が、今週号から政治コラムの執筆陣に加わってくれた。健筆を揮ってくれると思う。