権力とメディア
2018年8月24日7:00AM|カテゴリー:編集長後記|小林 和子
「国民の敵」としてメディア批判をしてきたトランプ大統領に、米国のメディア300社以上が「報道の自由」を訴える社説などを一斉に発表し、応戦した。
一方、韓国では、メディアを支配下に置こうとする過去の政権とメディアの激烈な闘いが知られている。
先週末、朴槿恵大統領を弾劾に導いたろうそく集会などを牽引してきたキム・オジュン氏が、自身の制作した映画の上映会のために来日した。会場のトークで、いかに多方面からの妨害工作と闘ってきたかに言及した。
たとえば撮影機材の破壊。何者かがパソコンのCPUのピンを折るという事態も周辺で起きたという。同氏らがとった対抗手段は知恵と根性のたまものとしかいいようがない。1万6000人の市民のクラウドファンディングに拠っているという事実が、彼らを強くさせるのだろう。
「風速計」で佐高信編集委員が本誌への危機感を表明された。権力をも批判する本誌の編集責任者の資格がお前にあるのかという問い、虚心坦懐に受けとめたい。