受け止めるべきは
2019年3月1日7:00AM|カテゴリー:編集長後記|小林 和子
「きょうの『読売』、見ましたか?」
部員のUさんが出社するなり話しかけてきた。沖縄・辺野古基地新設の賛否を問う県民投票の結果を伝える2月25日の朝刊のことだ。
会社に来ている新聞の束をみる。『読売』は「安心の設計 みんなで未来へ」シリーズの初回が一面トップで、県民投票は3段見出しの扱いだ。ちなみに『産経』は4段見出し。この結果をうけて問われるのは本土であるはずなのに、日本を代表する全国紙がこれか。
県民投票の結果を見る。昨年の市長選挙で基地新設反対派が負けた名護市は投票率が50・4%。反対票は昨年の選挙で反対を訴えた稲嶺進前市長が獲得した票を上回っている。詳細は今週号、初沢亜利さんの写真ルポと阿部岳さんの政治時評を読んでほしい。
2019年の予算に、県を介さずに直接自治体に交付する「沖縄振興特定事業推進費」が新設された。今回の結果を政府がどうみるかは不明だが、政府の恣意的運用を心配してしまう。受け止めるべきは反対の民意だ。