恐ろしい
2019年10月25日7:00AM|カテゴリー:編集長後記|小林 和子
台風19号の被害は長引きそうだ。被災された方々が暖かいところで安心して過ごせるように、一日も早い復旧・復興が待たれる。今週号で報告してくれた執筆者のなかには、支援に駆け回りながら原稿を送ってくれた方もいる。
除染廃棄物の入ったフレコンバッグの流出と、それをめぐる行政の対応は杜撰極まりない。そもそも仮置き場に積まれたフレコンバッグが自然災害で被害を拡散することは、誰でも想像ができたこと。会見した小泉進次郎環境相には事態を打開する意思も能力も感じられない。どうする?
先日会社にいらした方から、福島の山野に生えたキノコから何万ベクレルの値が出たことをきいたばかりだ。福島原発事故の影響は、大地に海に、いまも刻印されている。
東電刑事訴訟の判決の酷さは、今回の特集で実感できた。福島原発事故のために救助されなかった人たちのことが、判決要旨にないという海渡雄一原告代理人の指摘にはたじろいだ。国家中枢には選別された事実しか残らないとしたら、恐ろしい。