「慰安婦」問題
2019年12月13日7:00AM|カテゴリー:編集長後記|小林 和子
今年もあと1号を残すばかりとなった。全体で68頁の雑誌だが、何ができたのか、できなかったのか。「桜を見る会」は、野党の追及に安倍晋三首相がほとんど応じないまま年を越すことになる。メディアとしてもっと追い詰められないのか、と厳しいお叱りの電話を戴いた。たしかに大事な局面だと考えている。
今月6日、旧日本軍の「慰安婦」問題を巡り、内閣官房が2017、18年度に集めた資料を伝える共同通信配信の記事があった。その中で「『軍の関与』を補強する資料と位置付けられそう」だとする資料は、ジャーナリストの今田真人さんが本誌17年11月24日号で発表されたものだった。
「軍用車に便乗南下……したる特殊婦女」「兵員70名に対し1名位の酌婦を要する意向」などと、1938年当時の外務省と在中国日本領事館の具体的なやりとりを詳細に紹介し、軍や官憲の「主体的」な「権力犯罪」と評している。
三一書房から『極秘公文書と慰安婦強制連行』も出ている。関心を持たれた方はご一読いただきたい。