自由を愛した北村さん
2020年1月10日7:00AM|カテゴリー:編集長後記|小林 和子
年末年始に重大ニュースが飛び込んでくるのは例年のこと。だが、今年は余りに多い。
さらに私たちには別れもあった。前発行人の北村肇さんが暮れに逝去したことだ。会社を離れたのは一昨年の9月。その後もこんなメールを送ってくれた。「今日たまたま鶴瀬で小さな本屋を見つけました。入り口前の雑誌スタンドに『金曜日』がどんと置いてありました。思わず写真を撮りましたので添付します」
私は誇らしくその写真を眺めた。その細やかな気遣いが嬉しかった。作り手が何を糧に日々、悪戦苦闘しているのか、痛いほどわかっているからだろう。どんな違いがあろうとも、北村さんはいつも私たちとともにあろうとした。
昨年7月に書評原稿の執筆を依頼した。いったんは引き受けてくれたが、容体の悪化を理由に返上された。同月末からは、その連絡も代筆になった。
自由を愛した北村さん、この世の中、息が詰まることばかりだったのではないですか。どうかゆっくりお休みください。