直視する必要
2020年1月17日7:00AM|カテゴリー:編集長後記|小林 和子
昨年末、閣議決定した海上自衛隊の中東派遣は、野党の反対を押し切り強行された。また、安倍晋三首相の中東訪問は、米・イラン関係が最悪の事態を免れたことで実施。今日の朝刊ではサウジアラビア皇太子との会談の模様が伝えられた。
緊張緩和のために安倍首相が皇太子に外交努力の必要性を訴えたという記事を読むと、鼻白む思いがする。
安倍首相は武器輸出三原則を緩和した張本人。昨年開催された武器見本市の記事を今週号で載せているので特にひっかかる。一方、皇太子は無罪となったが、自国の反体制ジャーナリスト、カショギ氏の殺害事件で側近の関与が疑われていた。会談の裏で一体どんな話がなされたのか。
ウクライナ旅客機墜落の原因がイランによるものであるとわかった。あまりにも大きな犠牲だ。2014年、ロシアがウクライナ上空でマレーシア航空を撃墜した事件の現場写真を「世界報道写真展」で見たことを思い出す。目をそむけたくなる写真だったが、だからこそ直視する必要があったと今は思う。