編集長コラム「金曜日から」 編集長のコラムを公開しています。

おぞましい

 臨時国会が始まった。菅義偉首相の所信表明演説では完全無視か。前日に核兵器禁止条約の批准国が50カ国に達して、来年の発効が確定したことだ。

 日本が不参加であっても、核廃絶に向けた国際社会の動きを被爆国の首相として讃える格好の場であったはずだ。被爆者たちの地道な活動は菅首相の眼中にはないのだろう。核保有国の冷淡な態度、同調する日本政府にはおぞましいものを感じる(菅首相は「その指摘は当たらない」と切り捨てるだけだろうが)。

 今国会では2本の法案が特に気になる。1本は東京五輪・パラリンピックの開催に伴って休日を移動する法案。まだ来年の休日が決定していないからだ(カレンダー業界はさぞ困惑していることだろう)。

 もう1本は郵便法改正案だ。週6日の配達義務が週5日に変更され、土曜配達は廃止される。また、差し出し日から配達までの日数が3日から4日に緩和される。定期購読されている方々への本誌の到着が遅れることにもなる。市民生活への影響は計り知れないと思う。