守れる命
2021年7月9日7:00AM|カテゴリー:編集長後記|小林 和子
7月2日夜から3日の記録的豪雨により、静岡県・熱海市において発生した土石流では、(7月6日現在)4人の死者が出て、20人以上の安否不明者がいる。亡くなった方には哀悼の意を捧げ、被災された方にはこころからお見舞いを申し上げます。
1年前の7月3~4日の豪雨で熊本県球磨川が氾濫し、大きな被害を出した。自然災害が毎年、この狭い列島で繰り返すのは、近年の気候変動が影響しているのだろうか。
中国地方に赴任した新聞記者から、以前きいた話を思い出す。自分が住んでいる地域が大規模に開発され、土砂崩れの危険性があると、地域住民のひとりが熱心に訴えてきた。
だが、そのときはやり過ごしてしまった。その後、実際にその地域に大規模な土砂災害が発生。ほどなくその住民の方が災害に巻き込まれ、命を落としたことを知ったと。「なぜ、あのときもっと親身に話をきかなかったのか、なぜ行政に掛け合わなかったのか」悔いが残るとも。防げない災害はあるが、守れる命もある。