Society 5.0
2021年8月6日7:00AM|カテゴリー:編集長後記|小林 和子
米国では東京五輪のテレビ視聴率が想定より低く、局がスポンサーと補償について話し合うと報じられた。身体の極限を競うことで人々に“夢”を与える祭典が、一部の企業や五輪ファミリーの利権の装置に堕しており、巨額の税金が投入されていることが今大会で可視化された。
たまたま日本経済団体連合会の出している『経団連』のここ数年の目次に目を通す機会があった。五輪については驚くほど取りあげられていない。
話題はSociety 5.0についてばかり。Society 5.0とは「サイバー空間とフィジカル空間を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会」。こちらはデジタル革新のもたらす“科学の夢”というところか。
気になるのは、巨額の税金が当てにされていること。お腹をすかせている人をそのままにしておいて“夢”もないだろう。皮切りは来月のデジタル庁創設。
最後に訂正とお詫びを。先週号の本欄で取りあげた「ケ・セラ」は「ケ・サラ」の間違いです。