編集長コラム「金曜日から」 編集長のコラムを公開しています。

分配バーゲン

 この号が発売されるその前日に衆議院は解散をして、総選挙に突入だ。校了作業に追われるきょうは、衆議院の代表質問が行なわれた。

 岸田文雄首相、何をしたいのかよくわからない。所信表明演説では「分配」を12回使ったそうだ。総裁選でその一環として金融資産への課税強化策を示し注目されたが、所信表明演説では言及なし。代表質問で「成長と分配の好循環」をどう始めるのか、枝野幸男立憲民主党代表に問われても、「成長も分配も」が基本スタンスだと語るばかり。そのくせ、「六重苦と言われた」“悪夢の民主党”を持ち出すことだけは忘れなかった。今週号の山本太郎れいわ新選組代表と中島岳志編集委員の対談中で中島編集委員が語った一言、「岸田さんが一貫しているのはぶれること」が言い得て妙だ。

 さあ、これから選挙で街は騒がしくなる。そういえば、休止していた本誌のある読書会が再開する話も聞いた。コロナで人混みに出るのが私はまだ怖いが、そろそろ動きだすころか。