編集長コラム「金曜日から」 編集長のコラムを公開しています。

テレワーク

 オミクロン株の拡大で新型コロナ感染者がさらに急増することが見込まれます。本社でも万が一に備え、テレワークを推奨しています。

 私も先週水曜日(1月19日)、初めてテレワークをやりました。一般社団法人・日本テレワーク協会によると、テレワークとは情報通信技術を活用した、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方のこと。tele(離れた所)とwork(働く)を合わせた造語です。テレワークの普及で、さまざまな働き方が可能になりましたよね。

 いまや原稿や写真は、パソコンがあればどこにいても書けるし、送れます。筆者や取材先との連絡もZoomやメール、電話で事足りる。インタビューや座談会、対談だって、Zoomでつなげばできてしまう時代です。だから、不便は感じなかったのですが、ひとつ気になったというか、不安になったのは、会社の様子がまったくわからないことでした。テレワークの問題点として「コミュニケーション不足」がよく言われますが、確かに、この点は課題だと思います。(文聖姫)

本誌記事をめぐる裁判のご報告

 本誌記事で名誉が毀損されたとして会社経営の男性(以下、原告)が本社と筆者に損害賠償を求めた裁判の控訴審判決の言い渡しが昨年12月10日、大阪高裁(松井英隆裁判長)でありました。

 当該記事は2018年7月6日号に掲載されたもので、ジャーナリストの成田俊一氏が執筆した「警察の闇 暴力団の破門状事件めぐり京都府警が過去を隠した男」です。

 記事では、複数の証人の証言をもとに原告が元暴力団組員であった可能性が高いことを疑惑として指摘しましたが、原告は組員ではなかったと争っていました。

 1審京都地裁判決(20年9月28日)では、本社と成田氏に対し、連帯して110万円を支払うよう命じましたが、原告と筆者、本社は控訴しました。

 2審で原告は本社と筆者に1100万円の損害賠償を求めていました。大阪高裁は、1審判決を支持し、本社と成田氏の控訴を棄却。本社は最高裁判所に上告しました。(文聖姫)

声を出せない人の声を

「今朝の朝刊に載ってましたよ」。昨年12月27日朝、こんなメッセージとともに『北海道新聞』に載った私の人物紹介記事が、中級学校同級生のLINEに送られてきました。北海道に住む友人が送ってくれたのです。年末に「共同通信」が配信したもので、「『週刊金曜日』新編集長の在日コリアン」という見出しがついています。『東京新聞』などにも載りました。記事で私は、「人権を守ること、声を出せない人たちの声を拾っていくことにこだわりたい」「差別のない社会に貢献できる雑誌づくりをしたい」と答えています。これからも、この気持ちを大切にしていきます。

 女性で在日の編集長に期待するという心温まるメッセージとともに、支援金を送ってくださった読者もいました。早速、『東京新聞』『北海道新聞』のインタビュー記事を添えて、お礼の手紙を書いて送りました。『週刊金曜日』は、こうした一人ひとりの読者に支えられていることを、改めて感じています。今年もよろしくお願いいたします。(文聖姫)